カテゴリー別アーカイブ: 諸外国の医療費

インド

高度経済成長の裏で広がる格差

インドは現在中国と並びGDPの上昇率や人口増加率が急増している発展途上国です。

外資系巨大産業も参入していることもあり、国内ではわずか数年で巨額を稼ぐようなモンスター企業が登場している一方で、歴史的に継続しているカースト制度の影響もあり格差は大きくなっています。

インドにおける医療制度は基本的には国家によって運営がされており、国民は自己負担をすることなく診療を受けることができ、薬代金のみが自己負担という体裁となっています。

しかしそうした建前をよそに実際には診療を受けることができる施設が絶対的に不足していたり、医師不足、設備不足によって必要な診療ができないということも当然のように起こっています。

そのため高所得者層などは公立の病院ではなく医療費が自己負担となる民間医療施設を受けるようになっており、それが国民の間に診療格差を作り出すことになっています。

民間の診療機関もそうしたニーズを受ける形で都市部を中心に急増しており、データによると年間で20%ずつ施設が増えているとまで言われます。

インド国内の優れた民間医療施設

医療費が高額になるにもかかわらず高所得者層や中間層に多く民間医療施設が選ばれているのは、サービスや医療レベルが公立の施設に比べて数段高いためです。

公的な医療機関では待ち時間も長くサービスも貧弱であるのに対し、民間の施設は既に入ったときからわかるくらいに内部の設備が充実しています。

医療従事者も公立より私立で働くことを希望しているため、インド全体の医療従事者のうちの7~8割は民間施設勤務となっています。

インドにおける医療費はきちんと基準が決まっているわけではなく、同じ病状でも診療を受ける病院によって金額がことなることもあります。

そのため経済成長に従う物価の上昇により医療費も高騰傾向にあり、ますます優れた医療を受診できる人とできない人との格差は広がる一方になっています。

問題は医療費の支払いの煩雑さ

インドにおける民間医療機関のレベルですが、こちらは先進各国に比べて決して引けをとるものではなく、かなり高度な医療を期待することができます。

しかしながら利用に際して一つ気になるのが、公立でも私立でも病院内における組織設計が縦割りとなっているため、支払いが大変面倒であるということです。

例えば何らかの病気にかかったときにはまず医師の診察を受け、そこから各種検査をして、最終的に必要な薬剤を購入するという流れになります。

日本ではそうした診療にかかる費用は一括で請求をされ、薬飲み処方箋を持って薬局に行くという形になりますが、インドでは診療や検査はそれぞれ受付と支払いをしなくてはいけないので、いちいち待ち時間が必要になります。

そうした待ち時間に我慢ができずに列を飛ばして割り込むということも頻繁に起こるようなので、インドで受診をするときにはかなり自分から行こうという意識を持っていないといつまでも受けられないなんてこともあるかもしれません。